石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
2001年の外務省機密費流用事件の実話を描いた小説をドラマ化されたもの。
著者 | 清武英利 |
2017年 | 「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」出版 |
2017年11月 | ドラマ化 |
2018年 | 大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞受賞 |
機密費(報償費)
公にされていない国から各省庁へのお金の流れ。
機密費(報償費) | |
---|---|
官邸 | 15億 |
外務省 | 55億(55奥のうち20億が官邸へ上納) |
- 2010年 鳩山総理は上納金の存在を認める
真瀬の私的流用の概算9億3500万
93年から5人の総理に仕えて、11億6786万円の官房報償費の交付を受けている
- 競馬・ゴルフ会員権・不動産・飲食・ホテル代・宝飾品で9億3500万円
- 外遊のホテルの経費 2億2000万(臨時の経費)
官房報償費からの交付 | 11億6786万円 |
外遊のホテル代等経費 | ー2億2000万 |
競馬・ゴルフ・不動産等 | ー9億3500万円 |
真瀬(外務省ノンキャリア)の横領
真瀬の生活口座
東都中央銀行 | (生活口座) |
あおば銀行虎ノ門支店
真鍋のクレジットカードの支払い口座・真鍋の資産・外遊等の臨時の経費
あおば銀行虎ノ門支店 | 1億7000万円 |
- 外務省のノンキャリアはロジスティクス担当であった
- 外遊の急な出費のための臨時経費を預かっていた
- 外務省のクレジットカードはない
海外は請求書発行後30日以内に清算しなければならない→真鍋は個人のクレジットカードで支払い、事後請求していた。
- ホテルのレターヘッド付き便箋で水増し請求
偽装工作(離婚と慰謝料)
事件発覚後、離婚届提出し1億7000万のうち7500万引き出される。
銀行口座 | 入金 |
---|---|
東都中央銀行 真瀬 | 1500万 |
東都中央銀行 真瀬則香(娘)の口座へ | 3000万 |
東都中央銀行 真瀬則彦(息子)の口座へ | 3000万 |
真瀬の隠し口座
あおば銀行の他、銀行8行と信金4つ、22口座
銀行 | 普通 | 定期 |
---|---|---|
青葉銀行虎ノ門支店 | 3350万 | 1億7300万 |
聖和銀行内幸町支店 | 3297万 | 9036万 |
東京中央銀行西新橋支店 | 3576万 | 5503万 |
東京三義銀行西新橋支店 | 2364万 | ― |
三光銀行内幸町支店 | 1597万 | ― |
- 上記発覚後。後隠し口座 地銀3行、信金4つ(普通と定期で14口座)が見つかる
真瀬の私的流用の概算9億3500万
- 競馬・ゴルフ会員権・不動産・飲食・ホテル代・宝飾品で9億3500万円
競走馬22頭 | 3億4300万 |
ゴルフ会員権4件 | 4100万 |
宝飾品や飲食代 | 2億5500万 |
98年12月 マンション購入 | 7800万円(うち3000万は杉谷) |
警視庁と捜査二課と情報係の関係
捜査第二課の第四、第五、第六知能犯は花形。情報係は情報をナンバーに上げる。
情報係は真鍋の横領の情報をナンバーに上げるが、上層部の圧力により真鍋の事件は捜査せず、情報係が独自で捜査することになる。
捜査二課
捜査二課が扱うのは隠語で「サンズイ」と呼ぶ贈収賄等の汚職の他、横領や背任、詐欺、選挙違反などの経済犯罪を扱う。
中央省庁の脅威は東京地検
中央省庁にとって脅威は東京地検だけ、警視庁は見下されている。
石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの 登場人物
警視庁
刑事部長 | 国友尚徳 |
警備部長 | 山内周治 |
- 警備部はSPの派遣で外務省とのパイプがある
捜査二課
捜査二課課長 | 東田将之(キャリア) |
捜査二課管理官 | 町沢貞次 |
第四課知能犯一係長 | 細野辰彦 |
第四課知能犯三係主任 | 羽左間克男 |
第一知能犯情報係長 | 斎見晃明(江口洋介)4課から移動 |
第一知能犯情報係主任 | 木崎睦人(佐藤浩市) |
第一知能犯情報係主任 | 尾形保 |
第一知能犯情報係巡査部長 | 近藤哲平 |
第一知能犯情報係巡査 | 矢倉かすみ |
斎見晃明 五和重工業と橋脚組合の談合事件(龍翠会が恐喝)の活躍で4課から2課へ移動。
東京地方検察庁
検事 | 梶谷健仁 |
民主自由党
元民主自由党総務会長(情報元) | 溝口恭輔 |
内閣官房長官 | 則川久治 |
外務省
官房局長 | 安西俊晴 |
外務省総務局長 | 澤井勲平 |
総務局総務課長 | 鈴原彰一 |
西欧局第一課課長補佐 | 秋村篤郎(ノンキャリア・ロジスティクスのボス) |
総務局要人海外訪問支援室長 | 真瀬和則(ノンキャリア) |
国際経済局総務参事官室課長補佐 | 児玉英臣(ノンキャリア) |
東成梱包(外務省と取引がある)
取締役社長(情報元) | 菱岡博文 |
経理担当 | 山本信男 |
真瀬の愛人
若木麻里江 | あおば銀行虎ノ門支店 銀行窓口職員 |
杉谷朱鐘 | 真瀬の愛人 |
情報元
溝口恭輔 | 民主自由党・元民主自由党総務会長 |
菱岡博文 | 東成梱包の取締役社長・元吉田茂事務所秘書 |
浜口事件
浜口知寛 | 11年前総理府大臣官房管理室長 |
山内周治 | 警視庁警備部長(浜口事件を握り潰す) |
石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの 話の流れと相関関係
1999年7月
- 2000年の主要国首脳会談を九州沖縄で行うことが閣議決定される(九州沖縄サミット)
外務省の汚職の情報元
- 溝口恭輔(民主自由党・元民主自由党総務会長)が木崎に菱岡のことを話す
- 菱岡博文(東成梱包の取締役社長・元吉田茂事務所秘書)が許せない役人がいると溝口に直訴
菱岡博文
ばかやろう解散で退陣した時に外務省から会社を起こす。
- 外務省は特殊、独自の採用試験
- 外交上の機密
東成梱包は外務省と取引がある。納品は競争入札だが、イースト事務機器(元社員の加藤の会社)が外務省と癒着している。
- 省内の事務雑用はノンキャリアが行う
- 担当の職員が賄賂を受取り、入札の情報を流している可能性がある
- サミットでのロジスティクスはノンキャリアが行う
- かなり贅沢をしているノンキャリアがいるとい噂がある
出入国手続きや車両、ホテルの手配、物品の調達など後方支援業務(ロジスティクス)はノンキャリアの業務である。
- 九州沖縄サミットで不正が行われる可能性がある
九州沖縄サミットの予算
概算要求額と過去のサミットの比較データ
79年(第一回東京サミット) | 役6億円 |
86年 | 9億円 |
93年 | 15億円 |
今回 | 50億円(1.5倍計算) |
真瀬「50億でどうでしょう?」→秋山「もっとだ!サミット、いくらでも予算はつくだろう」
沖縄サミットの真瀬和則
- 九州沖縄サミットの予算の概算 200億となる
- 外務省総務局長と総務局総務課長に手土産に高級ワイン
- 料亭にプール金ありそれで接待は支払われる
木崎睦人の捜査
秋村篤郎(ノンキャリア)
資料室で、平成11年の西欧局第一課課長補佐が秋村篤郎であること、捜査関係事項照会書で秋村の公共料金の支払い状況と口座番号の情報(聖和銀行阿佐ヶ谷支店)を得る。帳票データ確認するが何もない。阿佐ヶ谷駅付近の銀行にも銀行口座(隠し口座)はなかった。
- 4年前の大阪APECでロジスティクスを務めるロジスティクスのボス
東成梱包で情報を得る
- 外務省と取引のあった東成梱包とグループ会社の経理伝票と帳簿を調べる
- 外務省と交渉した社員に話を聞く
93年より「要人海外訪問支援室」に多額の金券が送られている
- 金券など他、外務省にはプール金の作り方があると聞いたと経理担当山本が話す
- ロジ担には三悪人と呼ばれるノンキャリアがいる(山本が加藤より聞いた情報)
- サミットを仕切り、資金を自由に動かしている外務省の三悪人
総務局要人海外訪問支援室長 真瀬和則(ノンキャリア)にたどり着く。
真瀬和則(ノンキャリア)
公共料金の支払いから銀行口座を探すが公共料金はコンビニ支払いであった。
真瀬の官舎へ
矢倉かすみを同行させる。そのことで、矢倉は外務省でノンキャリアの人間を追っていることがわかり、齋見に伝える。
東都中央銀行の真瀬の口座(生活口座)
ニシオカタカコ(前妻)、マナセミキコ(別居中)、特別競馬協会への出金記録がある。(1頭に30万~50万の経費がかかる)
- 真瀬は12頭の馬を所有していた
品川競馬特別区競馬協会 賞金の初回の振込先があおば銀行虎ノ門支店であり、あおば銀行を突き止める。
おば銀行虎ノ門支店の真瀬の口座
帳票を確認。
1億7千万円の残高がある
- 普通口座に3年間で約4億円の入金
- 4億のうち4億がカード等で引き落とされている
- 入金はほぼ現金。ほぼ毎月数百万~5000万の入金(現金は金の出所を隠すため)
保秘と浜口事件
- 保秘が重要とされる情報係、木崎が得た情報を共有すべきだと齋見
- 浜口事件(11年前東京地検特捜が扱った事件)を調べるように言う東田
浜口事件(総理府大臣官房の収賄事件)を追う
浜口知寛(総理府大臣官房管理室長)が政府広告の契約で広告会社から賄賂を受け取る。政治的な圧力で捜査二課で捜査取りやめとなった事件。(政治的圧力に山内刑事部長が関与)
斎見晃明の捜査
矢倉より、木崎が追っているのは外務省の官舎に住んでいるノンキャリアだと情報を得る。
- 名荷谷警察署駕籠町交番の巡回連絡カードで住民の情報を得る
総務局要人海外訪問支援室長 真瀬和則(ノンキャリア)にたどり着く。
- 真瀬が馬主であることがわかる
国税局から出向してきている情報解析室の者に、真瀬の税務申告書の入手を頼む。
- 齋見もおば銀行虎ノ門支店を突き止め、真瀬の口座に1億7千万円の残高があることを知る
おば銀行虎ノ門支店
真瀬の入出金伝票により、真瀬の担当が若木麻里江だとわかる。10月13日に真瀬の口座から400万円が若木の口座に入金されたことがわかる。
齋見の得た若木の情報を東田を通じて木崎に伝える。
真瀬和則
あおば銀行虎ノ門支店の窓口職員 若木麻里江は真瀬の担当であり、愛人。
- 結婚祝い金として400万円を麻里江へ(手切れ金)
愛人への散財
1996年12月 ペルーの日本大使公邸にゲリラが占拠地、看護婦杉谷朱鐘(現在の愛人)らが派遣された。
外務省総務局長澤井・総務局総務課長鈴木への接待
- 接待麻雀(わざと負ける)
九州沖縄サミット
- ホテルの見積もりを現在の2倍にしてもいいと支配人に話す
- プール金3000万円(警視庁や警備部へのホテル代や差し入れなどプール金が必要)
真瀬和則の捜査
若木麻里江 任意聴取
真瀬の銀行への入金は、帯封を取った新札の一万円札だった。
真瀬和則のお金の流れ
- エステート21(不動産販売)98年12月 7800万円(愛人杉谷朱鐘と共同名義)
- カードの利用明細(オリノファイナンシャル) 98年イギリス、99年2月ヨルダン、99年6月ドイツで多額のカード利用
グランドメリオットアンマン(ホテル)
- 99年2月 ヨルダン国王葬儀列席
- 99年2月 グランドメリオットアンマンの利用明細あり
月日 | 海外 | ホテル | 決算 |
---|---|---|---|
99年2月 | ヨルダン国王葬儀参列 | グランドメリオットアンマン | 3000万円 |
99年6月 | ケルンサミット | フォーフルズグランドッメリオット | 2000万円 |
98年5月 | バーミンガムサミット | ルバンロンドン |
- サミットなどに真瀬が同行していた
- 外遊の経費を真瀬のあおば銀行の口座に入れていた
政府首脳の外遊や海外サミットの経費と業者からの賄賂が隠し口座に入っていた
ナンバーへ(第四知能犯へ)
捜査は情報係からナンバー(第四知能犯)へ。
刑事部長 国友尚徳、警備部長 山内周治、外務省総務局長 澤井勲平、総務局総務課長 鈴原彰一へ真瀬の不正の情報が伝わる。
- 刑事部長 国友尚徳は事件を「塩漬け」にすると
- 真瀬は在外へ異動を検討
中央新聞記者 冨田治信に情報が洩れている
- ナンバー(二係)は捜査せず、事件が消えるのを待つ(塩漬け)
外務省と繋がっている捜査二課の幹部は誰?
地縁か学閥で繋がっている可能性がある。(参事官か部長クラス)
- 山内周治警備部長がキャリア官僚と話していた(サミットのパーティーで溝口恭輔が見たと)
沖縄サミット後の真鍋和則
- 真鍋の不正の情報がナンバーに上げられる(塩漬け)
- 在外(パリ)の人事異動を検討される
真鍋の偽装工作
- 離婚届を提出
- あおば銀行より定期の解約7500万円
- 東都中央銀行に入金(真瀬則香と真瀬則彦の口座に3000万円・慰謝料)
情報係で真瀬を任意聴取する
- 警視総監、警察庁長官の決裁を済ませ、国友刑事部長の決裁で任意聴取の実行が可能となった
外務省官房局長安西より連絡が入る
真瀬の任意聴取のことで、外務省総務局長澤井と外務省総務局総務課長鈴原、警視庁警備部長山内でゴルフ中に連絡が入る。この件を官邸に伝えると。
1日目の任意聴取後、真瀬は外務省官房局長安西に呼び出される。
安西
「君(真瀬)が守られているのは外務省のドンと言われるあの方のお陰」と。
「警察があの金に気づいている可能性はないのだろうね」と。
真瀬のお金の流れ(任意聴取1日目)
- 口座のお金は父の隠し遺産(2億円)
- 政府種の外遊や海外サミットの臨時の支出のための外遊の予算を預かっている
- 経費の支払いはクレジットカードでカードの引き落とし先があおば銀行
- 競走馬預詫費・エサ代3年間で1800万(競走馬合計4800万円)
- 98年12月マンション購入 7800万(杉谷が3000万負担)
- 年収1200万円(年500万円の貯蓄)
- 離婚後、2人の子供に3000万円ずつ入金
父の隠し遺産(2億円)
- 父真瀬義則 1980年没
- 相続税の申告はしていない(脱税の時効は7年)
真瀬が同行した外遊について(任意聴取1日目2日目)
- 1998年5月バーミンガムサミット(橋本総理に同行)などの確認
真瀬はすべての外遊とその経費を暗記していた。(経費と立替えが一致していた)
真瀬の供述の矛盾点(任意聴取2日目へ)
- 遺産は仏壇の裏に現金で2億円
- 一度に動かすと目立つので少しずつあおば銀行の定期預金に入金
あおば銀行の窓口係の若木の聴取
- すべて帯封を取った新札の一万円札だった
1984年に1万円札の肖像は聖徳太子から福沢諭吉に変わった。
若木に確認すると、入金されたのは福沢諭吉だったと。
遺産は嘘だと発覚
- 真瀬「殺されますよ」と
機密費(報償費)
「殺されますよ」
- 単純な経費の不正流用ではないはず
- 警察庁長官より上が関連している(東田が国友に呼ばれ言われたことにより)
国絡みの金の可能性がある→機密費か?
機密費(外交機密費)
国際会議や首脳の外遊など表の外交の他、スパイ工作や情報収集など裏の外交が存在する。外交機密費は国の予算から外務省に支出されている。
- 政府は機密費を否定
機密費を横領か?
真瀬1人ではなく、事務次官や大臣クラスが関係している可能性がある。
資料室に97年週刊マストのスクープで機密費の記事があった。外務省には年間50億超えの機密費があり、エリート高官や幹部が1年半に2億円を飲食に使っている。
- この記事に関して外務省は省内に緘口令を敷いた(隠ぺいされた)
機密費とは?(溝口恭輔より)
機密費は戦前からあったがGKQ以降廃止になり、報償費として復活した。外務省以外にも億単位の報償費がある。
報償費は、国が国の仕事を円滑に実施するため、その状況に応じ、最も適当と考えられる方法により、機動的に使用される経費である(89年頃の政府文書)
(官房長官の決まり文句)
会計検査院や国税がノーチェックの金。
- 外務省に50億(外務省報酬費)
- 官邸に20億弱(官房報酬費・官邸の金庫)
総理が外遊する時は官邸の金庫から出金する仕組み。
外務省の経費について(溝口恭輔より)
紙ナプキンやメモで経費が支払われる。
東京地方検察庁検事
国税局、特捜からの情報ですでに真瀬の不正は知っていたが、危険な政治マターであると判断され捜査には至らなかった。
東京地方検察庁検事梶谷が捜査を認めると。
真瀬任意聴取後の外務省官房局長安西の対応
外務省官房局長安西は先生(何者か?)と会話→早急に対応すると
- 真瀬の内示 大臣官房長官預かりとなる(真瀬を見限る)
- 「外交機密費の流用」が全国紙の記事となることを止めない
先生(何者か不明)「真瀬いっそうのこと死んでくれたらいいのに」と。
永田町の隠し金庫/真瀬任意聴取後の情報係の捜査
官邸からほぼ黒塗りの資料(93年からの官房報償費の明細)を手に入れ、精査する。
真瀬の私的流用の概算9億3500万
93年から5人の総理に仕えて、11億6786万円の官房報償費の交付を受けている
- 競馬・ゴルフ会員権・不動産・飲食・ホテル代・宝飾品で9億3500万円
- 外遊のホテルの経費 2億2000万
官房報償費からの交付 | 11億6786万円 |
外遊のホテル代 | ー2億2000万 |
競馬・ゴルフ・不動産など | ー9億3500万円 |
隠し口座
普通預金口座 5つ定期 3つ 4億6023万円
銀行 | 普通 | 定期 |
---|---|---|
青葉銀行虎ノ門支店 | 3350万 | 1億7300万 |
聖和銀行内幸町支店 | 3297万 | 9036万 |
東京中央銀行西新橋支店 | 3576万 | 5503万 |
東京三義銀行西新橋支店 | 2364万 | ― |
三光銀行内幸町支店 | 1597万 | ― |
更に隠し資産が見つかる。
- 隠し口座 地銀3行、信金4つ(普通と定期で14口座)(トータルで銀行8行と信金4つ、22口座)
- 東京競馬組合 競走馬10頭(合計22頭3億4300万)
- ゴルフ会員権4件 4100万
- 宝飾品や飲食代 2億5500万
政府首脳の外遊や国際会議の度に外交機密費が真瀬に懐に入る仕組み。入金が増えたのは94年頃より。
真瀬はどうやって資産を増やしたのか?→水増し請求
商習慣
宿泊代は請求書発行後30日以内に清算しなければならないが、日本の決算だと間に合わない。その理由で真瀬は自分のカードで決算していた。
真瀬の3番目の妻に情報を得る(95年離婚)
- メチオットホテルやフォーフルズホテル(真瀬が滞在したホテル)の便箋が多くあった
- 「魔法の紙」と真瀬は言っていたと
真瀬の領収書の偽造(経費の水増し請求)
ホテルのレターヘッド付き便箋を利用
海外ではレターヘッド付き便箋やタイプ用紙に署名すれば、公式な文書として通用する。
- ホテルの宿泊費は自分のクレジットカードで支払う
- レターヘッド付き便箋を使用して高い金額を書き込む
総理官邸(官房報償費)が金の出所か?(総理が外遊する時の諸経費)
真鍋の錯乱状態を見て
官房報償費は公的な金であり、真瀬の様子だともっとヤバい金の可能性がある
永田町の隠し金庫
官邸の金庫より出金
- 帯封は取った方がいい
- 記録は残さない
- 代々受け継がれてきた金
- 絶対に外部に漏れることがあってはならない
- しゃべったら殺される金
捜査二課全体で捜査(特別捜査班)
真瀬と関わりのあったノンキャリアの事情聴取
真瀬は上司を取り入るのが上手かった(外交の際には手土産を配っていた)←贈収賄
- 7年間も要人海外訪問支援室長でいられたのは、人事権をもつキャリアと人脈があったから
- 真瀬はキャリアをかばっている
外務省が業務上横領で告発
- 外務省が真鍋を業務上横領で告発する(97年から3年間で5400万円の横領)
- 官邸ではなく、外務省の不祥事に収める狙い
横領で告発ならば、横領された金をどう管理、流用されたかを証明する必要がある。
報償費の裏の裏の金とは?
- 外務省西欧局 秋村「元々はウチの金(外務省の金)」
- 外務省報償費 55億
- 官邸報償費 15億
- 外務省報償費のいくらかは官邸に極秘裏に渡される=総理官邸の裏金
真鍋の機密費についての自供
政府ぐるみの不正
- 55億の機密費のうち20億は官邸に上納される(一切公表されない聖域の金)
官邸は機密費の上納の事実も使い道も国民に一切知らせず、政界工作や私服を肥やすために使っていた。野党対策やマスコミ対応などに使われていた可能性がある。
- 真瀬は総理官邸の金庫から外交機密費の官邸の上納分を外遊の経費として受け取り着服した
- 着服した金は外務省のキャリアに還流した
外務省官房局長 安西
外務省総務局長澤井と外務省総務局総務課長鈴原との会話
真鍋が手を出したのはただの官房報償費ではない
安西と「先生」の会話
- 真瀬の罪名について配慮すると
真瀬の業務上横領容疑を立証する
総理官邸に捜査の協力要請を出す
- 93年以降の官房報償費の明細(外交に関わるために開示できる範囲は限られているとほぼ黒塗り)
- 真瀬に支払われた金は全部記載されている
支払い明細を提示する代わりに取引
- 業務上横領ではなく詐欺罪で立件するよう要望
官邸は、真瀬が横領した金は官房報償費で
真瀬個人が使ったことにして終わらせるつもり
業務上横領 | 金の入りと出を立証する必要がある |
詐欺罪 | 真瀬が偽造した領収書を提出し受け取った金を自分の口座に入れると罪は成立する |
真瀬を詐欺罪で起訴する
東田
- 詐欺罪で起訴できなければ、事件をもみ消される。事件を風化させないために、詐欺罪で立件する。
真瀬逮捕
- 平成13年3月11日 詐欺罪で逮捕
- 東京地方検察庁に送致
- 外務省 懲戒免職
真瀬の供述の裏付け捜査
- 中東で総理以下64名で宿泊した迎賓館は宿泊費がかからないはずだが、ヨルダンのホテルに泊まったように偽装していた
- 93年~95年の愛人に2000万円(ホテルや宝飾品など)
検察の起訴額4240万(9億の1/20)追起訴、裏付け捜査で増やすしかない。
3月11日 | 詐欺罪 4240万円 |
第3回検事調べ/4月 | 再逮捕 被害額1億1905万円 |
3回目の起訴 | 被害額1億595万円 |
第12回検事調べ | 被害額2億1121万円 |
- 起訴額合計 5億665万7520円
児玉、秋村 詐欺罪で逮捕
真瀬は秋村篤郎(ノンキャリア)、児玉英臣(ノンキャリア)の公金搾取の供述を行う。
児玉英臣 | ハイヤー代水増し2200万円詐欺容疑で逮捕 |
秋村篤郎 | 宿泊費等水増し4億2800蔓延詐欺容疑で逮捕 |
外務省の三悪人(ノンキャリア) 詐欺罪で逮捕
真瀬、児玉英臣、秋村篤郎
キャリアへの捜査へ(逮捕に至らず)
- 高級ワインの手土産(収賄)←認識がなかった
- 賭け麻雀 法に問われる額ではない(証拠を提示してくれ)
キャリア
- 監督責任のキャリアは減給まらは給与の自主返納
- 大臣副大臣は厳重注意または自主返納
真瀬と木崎の会話
- 検察 搾取した金額5億600万円
- 情報係で捜査した金額9億3500万円
- 外務省は95年以前の会計書類を処分していた
- 澤井や鈴原などのキャリアが関与していたことの記載がない
キャリアの関与の記載がないことについて
検事からキャリアの関与について聞かれなかった
警察庁は外務省に気を遣う理由
- 在外公館のポスト(警察庁の人間が多数勤務してる)を減らすと言ったのかもしれない
木崎は真実を話すように真瀬に言う
- 外交機密費が官邸に上納されていたこと
- その金がキャリアに還流していたこと
2001年11月6日 最終陳述、機密費の上納については言わないままに終えた。
- 2002年3月 懲役7年6カ月の実刑判決
外務省から官邸への上納金について
中央新聞などが上納金について書いているが
- 政府は上納金の存在について否定
上納金の存在を認める
2010年、自民党から民主党へ政権交代に伴い
鳩山総理が上納金の存在を認めた